風邪の時は食欲が出ないことも多いと思います。
ウイルスと闘っている時だからこそ、栄養バランスや調理法などには配慮したいものです。
特に風邪はひき始めが肝心。この時期に消化によいもので体を温めて、早く回復できる食事を心掛けましょう。ひき始めの食事のポイントを紹介します。
①体を温める料理や食材:血液循環をよくし、粘膜が修復され、免疫力を高めます。部屋も暖まる鍋やス-プがおすすめです。
②消化によい料理:脂っぽい料理を避け、胃への負担が少ないおかゆや雑炊をとりましょう。
③十分な糖質・タンパク質・ビタミン:すぐにエネルギ-源になる糖質や代謝を高めるタンパク質、それらの働きを助けるビタミンB群と免疫力を高めるビタミンCが特に大切です。
④水分をしっかり:飲み物だけでなく、料理からも補給できるようにしましょう。ポタ-ジュの材料には、熱を加えてもビタミンCが壊れにくいカリフラワ-、隠し味に冷え性や疲労回復に効果的なニンニク、カルシウム補給のために牛乳を使っています。
4人分 |
カリフラワ- |
300g |
ジャガイモ |
100g |
タマネギ |
100g |
ニンニク |
1/2かけ |
牛乳 |
1カップ |
バタ- |
10g |
ス-プ |
コンソメ1個半を2カップに溶かす |
塩・こしょう |
適宜 |
- カリフラワ-は小房に分ける。
- ジャガイモは皮をむき、薄切りにする。
- タマネギは薄くスライスする。
- Aを混ぜ合わせて③を混ぜ、①と②をあえる。器に盛り付け、ユズの皮の千切りを散らす。
●一人分の栄養価
エネルギー |
103kcal |
タンパク質 |
4.6g |
塩分 |
1.0g |
大根は12月から2月にかけて、水分をたっぷりと含み甘みも増して、とてもおいしくなります。
大根を使った郷土料理といえば、ため池の多い讃岐ならではの「てっぱい」があります。
昔は、寄り合いごとの酒のさかなや冬場の総菜に、生きたフナを使って作る料理でした。
フナのことを鉄砲と呼んだことから「鉄砲和え」という名が付き、やがて「てっぱい」となったそうです。
近年はフナの代わりにサバやコノシロ、サワラを使うことが多いようです。
魚の種類のこだわらず、気軽にてっぱいを作ってみませんか。刺身が残った時などに、酢じめにしておけば、すぐにでも作れます。
また魚の代わりにちくわやちりめんじゃこ、油揚げなどを使うともっと簡単です。ユズの皮の千切りを混ぜると、香りがおいしさを一層引き立てます。
家族の好みを取り入れて、伝統的な郷土料理を「わが家流」にアレンジして楽しんでみてはいかがでしょう。
2人分 |
酢じめの魚 |
30g |
大根 |
100g |
ニンジン |
15g |
細ネギ |
少々 |
赤唐辛子 |
少々 |
A…白みそ |
15g |
砂糖 |
大さじ1/2 |
酢 |
小さじ1 |
練りがらし |
少々 |
ユズの皮 |
少々 |
- 酢でしめた魚を細切りにする。
- 大根、ニンジンは短冊切りにして塩をする。しんなりしたら、さっと洗ってよく絞る。
- 細ネギは小口切り、赤唐辛子は種を除いて輪切りにする。
- Aを混ぜ合わせて③を混ぜ、①と②をあえる。器に盛り付け、ユズの皮の千切りを散らす。
●一人分の栄養価 コノシロの場合
エネルギー |
68kcal |
タンパク質 |
3.9g |
塩分 |
0.9g |
県外の人に驚かれるさぬきの味の筆頭といえば「あん餅雑煮」ではないでしょうか?
全国的にも珍しいこの白みそとあん餅の取り合わせは、江戸の末期ごろより食されており、甘味の少ない時代には、何よりのごちそうだったようです。
具は地域によって多少異なりますが、家族仲よく円満でありますようにとの願いを込めて、大根やニンジンなどを輪切りにします。
雑煮用にちょうどよい太さの雑煮大根が、年の瀬になると店頭に並びます。
またこの時期の出回る赤い色の金時ニンジンもおせち料理に欠かせない食材です。
雑煮には年頭に神々に供えた物と同じ物をいただき、1年の平安を祈願するという意味があります。
咋今はお正月に雑煮や餅を食べない家庭もあるようですが、あん餅の入った雑煮を食べなければ、お正月が来た気がしないという根強いファンも多いようです。
あと数日で迎えるお正月の祝い膳で、伝統のさぬきの味「あん餅雑煮」を楽しんでみませんか?
2人分 |
あん餅 |
2個 |
だし汁 |
1.5カップ |
雑煮大根 |
100g |
金時ニンジン |
40g |
白みそ |
45g |
A…花かつお |
適量 |
青のり |
適量 |
- 大根、ニンジンは皮をむき輪切りにする。
- だし汁で①を煮る。あん餅を加えて軟らかくなるまで煮る。
- 白みそを溶き入れて火を止める。
- おわんに盛り、Aをのせる。
※あん餅が堅い時はゆでてから加える。
※おわんに盛る時に大根の上に餅をのせるとおわんの底に餅がくっつかない。
●一人分の栄養価
エネルギー |
212kcal |
タンパク質 |
2.8g |
塩分 |
1.6g |
最近は、スーパーのおかげで便利になりましたが、体調を崩した時などは、しんどくて外出できず食べ物に困ったという経験はないでしょうか?
日ごろから日持ちのするタマネギや芋類などを多めに購入しておく、切り干し大根や干しシイタケ、高野豆腐などの乾物を常備する、肉や魚、野菜などを冷凍保存しておくと大変助かります。
乾物の栄養価は生の物と比較して、タンパク質などは変化が少ないですが、ビタミン類は減少、脂肪は酸化がおこります。
特に魚の乾物は酸化しやすいので冷凍保存がおすすめ。
乾物類は冷凍することでカビや虫の発生を防ぎ、おいしさが長持ちします。
肉・魚の冷凍保存は、生の新鮮なものを1回分ずつ小分けにしてラップで包み、フリーザーバックに入れ、空気を抜いて急速冷凍します。
野菜は新鮮なものを切ったり、ゆでたり、つぶしたり、必要な下処理をし、肉・魚と同様に冷凍します。
ホウレンソウやブロッコリー、キノコ類などは生のまま冷凍保存ができます。冷凍したものは、1カ月をめどに使い切りましょう。
1人分 |
高野豆腐 |
1/2枚 |
昆布 |
1g(1cm角) |
干椎茸 |
1枚 |
ダイコン |
30g |
ニンジン |
10g |
ゴボウ |
10g |
だし汁+干椎茸のもどし汁 |
2カップ |
薄口しょうゆ |
大さじ1弱 |
かつお節 |
ひとつまみ |
ネギ |
2g |
ごま油 |
小さじ1 |
- 高野豆腐はもどして、薄く細く小さく切る。
- 干椎茸はもどして細切り、ダイコン、ニンジンは薄いいちょう切り、ゴボウはささ
がきにする。
- 昆布は細くはさみで切る。
- 鍋に、もどし汁を合わせ2カップと、①②③の材料を入れ、火にかけ、沸騰したら
弱火で野菜が柔らかくなるまで煮る。
- 薄口しょうゆを加えて味を調える。
- 器に注ぎ、かつお節、小口切りのネギ、好みでごま油を入れる。
●一人分の栄養価
エネルギー |
76kcal |
タンパク質 |
4.3g |
塩分 |
1.4g |
つい鍋をかけ忘れ、焦がしてしまったことはないですか? その点、電子レンジなら、心配がありません。
また、食品の水分に反応して加熱するので短時間で調理でき、熱に弱いビタミンB1・Cなどの栄養素の損失も少なく、栄養満点の料理ができます。
①「加熱時間の目安」はレンジのワット数に応じて。最初は表示時間より少し短めに設定し、材料の量に合わせて時間を加減します。
②材料の大きさをそろえる、途中で混ぜる、材料の向きを変えると均一に加熱できます。
表面に皮や膜のあるもの(銀杏・卵・イカなど)は、表面に切り目を入れ、破裂を防ぎます。
③容器は陶器・耐熱ガラス・電子レンジ使用可の表示のあるプラスチック製品などが使えます。
加熱する時は、ふた・ラップをするのが基本ですが、パリッとした食感を楽しみたい時(揚げ物の温めなど)は不要です。
④電子レンジ利用の調理例をご紹介します。
・ゆでる…イモ類は皮付きのまま、根菜類、葉菜類は水をつけてポリ袋に入れ加熱。
・みじん切り玉ねぎいため…玉ねぎのみじん切りに油を少量かけて混ぜラップをして加熱。
・スクランブルエッグ(1個)…卵に塩とバタ-を加え40秒加熱、かき混ぜて20秒加熱。
1人分 |
白菜 |
100g |
モヤシ |
25g |
ニンジン |
20g |
ダイコン |
50g |
白ネギ |
15g |
豚肉薄切り |
30g |
豆腐 |
50g |
シメジ |
20g |
- ネギは小さく小口切りにする。
- 卵、ネギ、ひじきの煮物を入れよくかき混ぜる。
- フライパンに油を引き、②の材料を入れて焼く。
●一人分の栄養価
エネルギー |
162kcal |
タンパク質 |
12.7g |
塩分 |
2.0g |
食事づくりが負担にならないよう、たまには手抜きをしながら、おいしく、楽しく上手にバランスのよい食生活を続けていきたいものです。
食事をつくるのが億劫な時、買ってきてすぐに食べられる市販の惣菜を利用して、時には簡単にすませる日があってもよいのでは。
買ってきたパックそのままでなく、器に盛りつけてトマトやゆで野菜を添えたり、ひと手間加えることでグンと見栄えよくおいしそうになります。
さらに、おひたしやみそ汁など簡単な1品を加えると、栄養バランスがよくなり温かい手料理に変身です。
包丁・おろし金・すり鉢など、力の必要な台所用具が使いにくくなってきた時は、フ-ドプロセッサ-がおすすめです。
野菜のみじん切り・大根おろし・すりごまなどがすぐにできます。
調理の幅も広がり、気軽に料理を楽しめます。
最近は操作も後片付けも簡単で小型の使いやすいものがいろいろあります。
火を使わない電磁調理器や電子レンジも、シニア世代にとっては安心・安全な台所用具です。
2人分 |
ひじきの煮物 |
少量1 パック |
卵 |
2 個 |
ネギ |
1 本 |
サラダ油 |
少々 |
- ネギは小さく小口切りにする。
- 卵、ネギ、ひじきの煮物を入れよくかき混ぜる。
- フライパンに油を引き、②の材料を入れて焼く。
●一人分の栄養価
エネルギー |
109kcal |
タンパク質 |
8.0g |
塩分 |
0.6g |
皆さんは食事の時、どのような順番で食べられますか?
食事の総エネルギーが同じでも、食べる順番によって血糖の上がり方が違ってきます。
まず、野菜やきのこ、海藻類などの食物繊維たっぷりの料理や酢の物から食べ、炭水化物のごはんやパンを後にすると、血糖の上がり方が緩やかになります。
適量のタンパク質を一緒にとることも血糖上昇を緩やかにします。素うどんだけをかき込む食べ方は、血糖値を上げやすいと言えますね。
ある食品を食べた後の血糖値の上がりやすさを示すGI(グリセミックインデックス)というのがありますが、ごはんだけを食べるよりも、納豆や酢の物、あるいは乳製品を一緒に食べた方が血糖が上がりにくいというデータもあります。
野菜をたっぷりとるには生野菜だけではなく、具だくさんの“食べるみそ汁”やスープにしたり、ゆで野菜、お浸し、煮物などにしたりして、カサを減らしてとることがおすすめです。
2人分 |
大豆水煮(缶詰) |
50g |
タマネギ |
小1/4個 |
ニンジン |
2㎝程度 |
ゴボウ |
5㎝程度 |
サツマ芋 |
50g |
シメジ |
1/4パック |
生シイタケ |
2枚 |
クコの実(乾物) |
少々 |
インゲンまたは細ネギなど |
少々 |
植物油 |
小さじ1 |
水 |
400g |
コンソメ |
小さじ1 |
しょうゆ |
小さじ1/2 |
こしょう |
少々 |
ごま油 |
2~3滴 |
- タマネギ、ニンジンは1㎝角に切る。
- ゴボウは千切りにし、水にさらしておく。
- サツマ芋は洗って皮ごと1㎝角に切る。
- シメジは小房に分け、シイタケは薄切りにする。
- 鍋に油を熱し、タマネギ、ニンジン、ゴ
ボウをいため、水、コンソメ、しょうゆ、大豆の水煮、きのこ類を入れて野菜が軟らかくなるまで煮る。
- 最後に青み野菜を入れ、味を調えてごま油を2~3滴落とす。
●一人分の栄養価
エネルギー |
130kcal |
タンパク質 |
3.7g |
塩分 |
1.2g |
人の消化酵素で分解されない食物中の成分の総称を「食物繊維」といいます。
玄米を主食とし、いり豆やふかし芋をおやつにしていた昔と比べ、現在では摂取量が半減しています。
食物繊維は水に溶ける「水溶性食物繊維」と溶けない「不溶性食物繊維」に分けられます。
水溶性には果物や野菜などに多く含まれるペクチンや海藻類のアルギン酸、こんにゃくのグルコマンナンなどがあります。
これらは小腸上部での栄養吸収を和らげ、糖の吸収を遅らせることで血糖の上がり方を抑えたり、悪玉コレステロールを減らしたりする働きがあります。
不溶性には野菜や豆類などに含まれるセルロール、エビやカニの殻のキチンなどがあり、主に便秘や大腸がん予防に効果が期待できます。
食物繊維は種類によって生理作用が違うので、さまざまな食品を組み合わせて摂ると効果的です。
野菜や海藻、こんにゃく、きのこ類などをたっぷり食べて、糖尿病予備群を脱出しましょう。
2人分 |
シメジ |
1/2パック |
生シイタケ |
2枚 |
エノキタケ |
1/2袋 |
酒 |
小さじ2 |
塩 |
少々 |
ダイコン |
100g |
三つ葉、またはカイワレ大根など |
適宜 |
クコの実(乾物) |
少々 |
米酢 |
小さじ2 |
砂糖 |
小さじ2 |
ユズまたはスダチの汁 |
小さじ1 |
- シメジは小房に分ける。生シイタケは薄切り、エノキタケは半分の長さに切る。
- 小鍋に①を入れ、酒・塩をふって、からいりしてさます。
- クコの実は酒を入れた水で戻しておく。
- ダイコンはすりおろして軽く水気をきり、調味料と合わせる。
- きのこ類と④を混ぜ合わせて器に盛り、クコの実、三つ葉などをのせる。
●一人分の栄養価
エネルギー |
30kcal |
タンパク質 |
1.9g |
塩分 |
0.1g |
幼い頃はよちよちと後をついてきた孫も、成長盛りの中高生にもなると、話かけてもまともな返事は期待できず、何を考えているのかわからない…。何とも寂しい限りです。
そんな彼ら彼女らが、なぜか一緒に料理をしていると、ポツリポツリとその日の出来事などを話してくれることがあります。
「食を通じたコミュニケーション」は、一緒に食べるだけではなく、一緒に作ることでより深まることもあります。
鉄板焼きやお好み焼きの準備なら、幼児にもお手伝いができます。
家族みんなでギョーザを包むのも楽しいものです。
中高生は、ケータイで鍛えた親指で上手に包んでくれるかもしれません。
一緒に作った料理は、いつにも増しておいしいはずです。
食卓を囲んで会話が弾み、笑顔が生まれたら、それこそが食育の原点ではないでしょうか。
30個分 |
豚ひき肉 |
150g |
ニラ |
1束(100g) |
しょうゆ |
小さじ2 |
オイスターソース |
小さじ2 |
こしょう |
少々 |
卵 |
2個 |
ごま油 |
小さじ1 |
ギョーザの皮 |
30枚 |
油 |
|
- ニラは小口切り、キャベツはゆでて、みじん切りにする。
- 豚ひき肉に、①の野菜と調味料を入れ、よく混ぜる。
- ②をギョーザの皮でつつむ。
- フライパンに油大さじ1/2 を熱し、③のぎょうざを10 ケ並べる。焦げ目がついたら、水1/2 カップを入れてふたをし、水分がなくなるまで蒸し焼きにする。最後はふたをとって、強火にして皮をカリッと仕上げる。
●一人分の栄養価
エネルギー |
176kcal |
タンパク質 |
8.0g |
塩分 |
0.5g |
糖尿病を予防するために、おいしく食べながら、おかずのエネルギ-(カロリ-)を減らす工夫をいくつかご紹介します。
①脂肪の少ない部位や素材を選びます。同じ豚肉でもバラやロ-スよりもヒレ、ももといった脂身の少ない部位を選ぶとエネルギ-をぐんと減らせます。
その際、脂肪の少ない肉はパサつきやすいので、例えば上記レシピのように、水溶きかたくりでとろみをつけたあんをかけるなどしてコクを出すと、おいしくいただけます。
②油の使用量を減らします。油をよく吸うナスなどは、あらかじめ少量の植物油をまぶして電子レンジで加熱してからいためることでエネルギ-が大幅に減ります。
③エネルギ-の少ない素材を生かしてカサを増します。例えば、春雨の代わりに糸寒天を使って酢の物や中華サラダにする、焼きそばにたっぷりのモヤシを入れる、きのこを使ったあんかけにするなどです。
2人分 |
鶏ささみ |
4 本 |
酒・塩(下味用) |
適宜 |
植物油 |
小さじ1 |
野菜あん |
|
タマネギ |
小1/4 個 |
ニンジン |
20g |
ゆでタケノコ |
40g |
生シイタケ |
2 枚 |
サヤインゲン |
2~3 本 |
だし汁 |
大さじ2 |
しょうゆ |
小さじ1 |
みりん |
大さじ1/2 |
かたくり粉 |
小さじ1 |
水 |
小さじ2 |
- 鶏ささみは筋を取り、火が通りやすいように包丁で軽く斜めに切れ目を入れ
る。10分程度酒・塩に漬けておく。
- タマネギを薄切りにし、ニンジン、ゆでタケノコは千切りにする。
- 生シイタケは石づきを取り、薄切りにし、サヤインゲンは斜め切りにする。
- フライパンに油を熱し、鶏ささみをソテ-する。
- 野菜を堅い順に炒め、だし汁、調味料を加えてさっと煮て、最後に水溶きか
たくりを加えてとろみをつける。
- 鶏ささみの上に⑤をかける。
●一人分の栄養価
エネルギー |
150kcal |
タンパク質 |
21.2g |
塩分 |
0.9g |