令和6年度第2回の生涯教育研修会を実施しました。
日時:令和6年9月14日(土)9時00分~16時10分
場所:香川短期大学
参加者:香川県栄養士会 会員
内容
①講演(演題)栄養診断 栄養ケアプロセス演習「栄養ケアプロセス・PES報告」
講師 福岡女子大学国際文理学部 食・健康学科 教授 片桐義範氏
参加者 会場46名

栄養診断は、「PES報告」という文章表現が活用されており、症状に基づき、原因となった栄養面での問題を示すようになっていることをお話ししていただいた後、この手法を用いた報告書の作成について、よい例と改善が必要な例をご説明いただきました。

演習では、生活習慣病と診断された成人の症例について、3~4人のグループで協議を行い、グループ内で活発に議論ができました。
参加された方の感想では、「栄養診断によって問題点が明確になった。」「PESの書き方が理解できた。」「演習の時間がもっとあればよかった。」といった声が聞かれました。
②講演(演題)「安心・安全な食品を提供するために」
講師 公益社団法人 香川県食品衛生協会 専務理事兼事務局長
松本幸三氏
参加者 会場 37名 オンデマンド 13名 計50名

近年の食中毒の件数、患者数を聞き、食中毒が現在でもなくならない現状をご説明いただき、食中毒の三原則である「つけない・増やさない・やっつける」、それぞれの対策の実践例を具体的に教えていただきました。
洗い残しのない手洗いが食品衛生の基本ですあり、カラーで見やすい手洗い手順は、調理従事者によく分かりました。
参加された方の感想では、「衛生管理に対する丁寧な説明を聞き、気づきがいくつもあった。」「食の安全に対する意識が強まった。」といった声が聞かれました。
③講演(演題) 「食行動と脳機能」
講師 神奈川工科大学 健康医療科学部 管理栄養学科
栄養教育研究室 教授 饗場 直美氏
参加者 会場 40名 オンデマンド 30名 計70名

人の食行動の仕組みは、脳からの指令によって左右されていることをご説明いただき、食事によって脳内から分泌されるセロトニンの量が上昇すること、セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、満足感や安定感を得られることにつながることを教えていただきました。
糖尿病患者がうつ病になりやすい理由を、インスリンの分泌やセロトニンの働きから教わり、また旨味の感じ方については、昆布のグルタミン酸とかつおのイノシン酸の相乗効果があることを図を用いて説明を受けました。
咀嚼教育については、音楽を用いて給食を食べる小学生の動画を視聴し、食べ物をかむ回数はおいしさの感じ方や体型にも影響がでることを教えていただきました。
参加された方の感想では、「食行動における脳の働きがよく分かった。」という声が聞かれました。